日記メイン。雑感や管理人tokiwailm(常盤いるむ)の落書きや【ぴく悪】など。サイコ○トラー某は関係ありません。


by tokiwailm

カテゴリ:読書録( 11 )

・紀田順一郎 著、「インターネット書斎術」、ちくま新書、(2006)。

パソコンを導入する際注意すべき点、またインターネットの特徴と活用について、
著者の体験を交えた実例を挙げまとめたもの。
一般のパソコン書籍のようにハードやソフトの機能や便利点を挙げるのでなく、
パソコンの為の机上スペース確保、机や椅子の選び方など、
それ以前に初心者が陥りがちな問題について述べているのが独特。

また主題のインターネット関連でも、その長所、短所から活用法がいかなるものか、
についての著述が興味深いです。
他にもホームページに関する話題(現在の著者のHP:「紀田順一郎のIT書斎」)、
インターネット読書、またインターネットと日本における「検索」文化の対比、
と話題は多く、体験者から見ても参考すべき点は多いです。

何より、著者はプロフィールを見ても執筆当時60代後半。
通常は中高年と位置づけられIT化に対応しきれない世代とされがちであり、
それらの発達に批判的でさえある人もいますが、
この著者は自身で様々に活用し、かつこの本における的確な考察。
個人的にはそこに驚きました。
私も年をとるなら、このように新鮮な技術にも対応できる柔軟な人間になりたい、
とふと考えさせられました。
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by tokiwailm | 2006-12-02 14:59 | 読書録
・勢古浩爾 著、“「自分の力」を信じる思想”、PHP文庫、(2001)。

自己啓発系の書籍です。
内容はタイトルにもある通り、「自分の力」に注目したもの。
現在世間に流通する人生の勝ち負けの概念、自分らしさ、などの思想を徹底的に考察し、
その中で生きていくために私達が考えるべき事、行動は何かを問う。
その著者の結論としての「自分の力」の概念とその活かしかたをまとめた本です。

裏表紙の著者略歴にもある『「ふつうの人」の立脚点』
これがあながち偽りでない点に好感がもてます。
この本はほとんど自説の展開で占められていますが、
「自分ならどうするか」、「自分は出来ているか」などの表現が多く、
この手の本にたまにある「真理を語るオレはエライ!」的な嫌味がありません。
むしろ、こういう本にまとまっているという形ながら、
読者に問いかけ、共に考えて進んでゆくかのような雰囲気で、
自己啓発としてだけでなく、単純に読み物としても面白いです。

本格的に「ドーン」と沈んでいる人、バリバリ頑張りたい人には物足りないですが、
自分とは何か?やりがいとは?※という事を考えている人にはお薦めかと。


※しかしこの本の内容は「自分らしさ」「充実感」という言葉に否定的です。
 その点にはご注意を。
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by tokiwailm | 2006-10-21 20:29 | 読書録

実在した竜騎兵。

著名RPG「ファイナルファンタジー」をはじめ、
様々な空想作品に見える「竜騎士」ですが、
なんと、似たような呼び名の兵種が実在したそうです。

いま図書館で「武器甲冑図鑑」という本を借りてます。
この本は古代から近代までの兵士の武装を豊富な図と文章で説明したもので、
資料的に大変興味深いです。
特にファンタジーな古代・中世だけでなく近代の装備は貴重ですし。

で、その本に「ドラグーン(竜騎兵)」という兵種が掲載されてます。
これは16世紀末フランスに発生し以後他国に広まったもので、
戦場まで馬によって移動し、戦場に着くと馬を下りて射撃などを行う、
というのがその基本形態。
機動力重視のためか装備は歩兵に類似し、軽装です。
名前の由来は元祖の部隊が竜の旗をつけていたからとも、
装備していた銃の名称からとも言われているとか。

後の時代にはあまり馬を下りなくなり騎兵としての性格が強くなったようですが、
「騎兵」と言いつつ装備や戦法は歩兵であり、
最大の武器は必要な場所に素早く駆けつける「機動力」なわけです。

ところで「ファイナルファンタジーの竜騎士はなぜ竜に乗らないのか。」
という問いは昔からなされていましたが、
「ゲーム上のシステムの問題」以外の答えが、
この実在した竜騎兵の運用形態から見えてきます。
彼らはあくまで機動力に優れた歩兵・戦士という位置づけなのです。
素早さを生かし、あるいはジャンプも使い、有利な位置に素早く移動して
敵軍を奇襲・かく乱する。
戦場に彼らがいれば、そういう扱われ方がふさわしいのではないかと。
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by tokiwailm | 2006-08-31 20:13 | 読書録
前は一部でしたが全体を読んだので通した感想を。

この本は第二作ということもあり、
前作の読者による投稿+著者のコメントという構成も含まれています。
ここを見るに、どうも「私の見つけたサエない女」報告であるだけでなく、
「厚かましい事をしても平気でいられる事に対する嫉妬
が含まれているように思えてなりませんでした。

特に「(一部の)同人女はサエない」と言う話題がそうで、
その細かい観察、描写などは実際その業界にいなければできなさそうなものです。
大部分がその人となんらかの関係がある、あるいは身内からの報告っぽいのです。
子供関係もそうですが、そんな中、周囲の熱狂にも流されること無く、
「サエた女」としてふるまっていくのは結構しんどい
そこから逃げている(?)「サエない女」に対する嫉妬、不満、
それに共感することもこの本の人気の一つなのかもしれません。

しかしこういった「サエない女」を断じ、脱却を薦めるのは道徳的に言えば
「人の悪口をいうのはほめられた事でない」、
「人の好みに口出しするのは余計なお世話だ」
ということになるのでしょうが、果たしてそれは間違っているのかどうか。
人間は何だかんだいって社会的な生き物、
実際に他人をやるせない気分にさせる以上、それを直そうというのが、
それによって自分が受ける損益以上に意味のあることなのかもです。
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by tokiwailm | 2006-08-19 08:47 | 読書録
・椎名誠 沢野ひとし 木村晋介 目黒孝二 著,
「超能力株式会社の未来 ―新発作的座談会―」,本の雑誌社,(2000).

岡山時代から探していたこの本も図書館で見つけました。
冒険番組などで有名な椎名誠他友人4人が様々なテーマについて対談する
「発作的座談会」シリーズ3作目です。

3作目ともなると落ち着いてきてパワーもなくなってくるかと思いきや、
相変わらず楽しませてもらいました。
思いのままにつっ走る椎名誠。
常人には思いつかない発想を連発する沢野ひとし。
意外と頼りにならない弁護士木村晋介。
一見普通ながら結局巻き込まれる目黒孝二。

通常対談と言うとテーマのあるなしに関わらず、ある程度砕けた話はしつつも、
結論を出そうと比較的真面目な話で進んでいくものです。
この本で対談する著者はいずれも経験豊富な50代。
さぞ建設的なレベルの高い対話が交わされるかとおもいきや。
実際は結論には向かわないは、ひたすら与太話に終始するは。
しかもそれが笑わせようと意図したものでなく天然だというのが突き抜けてます。

書中の著者の一人のコメントにもあるとおりまるっきり「酒飲みのバカ話」。
まず結論ありき、の方には少々物足りないかもしれませんが、
いい意味でレベルの低い話が好きな方には是非お勧めです。
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by tokiwailm | 2006-07-15 15:40 | 読書録
・松島巖 著、「トコトンやさしい錆の本-今日からもの知りシリーズ-」、
日刊工業新聞社 B&Tブックス、(2002)。

その名に恥じない分かりやすい本でした。
専門的にあまり深く踏み込んでいるわけではないですが、
基本を押さえ、また「錆」についての知識を整理できる優れた参考書だと思います。
それぞれ項目に分かれながら各項目の関連、参照も充実しておりまとめ方が良いです。

内容については、まず錆についてそれが何であり、いかに大きい損失をもたらすか。
単に外見が悪くなるだけではなく、その修理には多大な労力が必要です。

そして錆の起こる条件とは何か。
単純に空気と水があれば錆びる、というわけではないのです。

また錆びを防ぐにはどうするか。
塗装はポピュラーですが、場合毎に応じた防御法とその特徴とは。

錆びとそれを防ぐ技術(防食)というと一見地味で、古い技術のようですが、
その存在がいかに大きいか。
それを知る意味でもこの本はお薦めです。
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by tokiwailm | 2006-03-05 22:31 | 読書録
・斎藤楠ト 著、「FF世界」の研究、データハウス(1994)。

一時期流行していた謎本らしき一つ。
ファンタジーの設定や考察が好きな私として、
あまり内容も見ず購入(¥105)したのですが…。
はっきり言ってハズレでした。

謎本の主な要件として、次の二つが挙げられると私は考えています。
①質問の内容もストーリー上の明らかにされていない部分であるとか、
普通に鑑賞しただけでは分からない裏の事情や設定など、
はまった人なら多くの人が知りたいと思っているだろう内容であること。
②謎に対する答えはあくまで個人的な解釈ではあるが、
その文体は対象作品の設定、事象を根拠に使って考察を積み重ねる、
という論理的なものが中心であること。
しかしこの本は…中にはまともな物もありますが…この要件を満たしてません。

まず、①の要件を満たさず、システム上の制約や形式に突っ込んでいる質問と答え。
例えば「5人パーティーなのになぜ一人しか表示されないのか?」
「各国の大臣がなぜ同じ顔なのか?」「宿屋の主人が足踏みしているのはなぜ?」など。
こんな事はゲームだから当たり前、と多くのユーザーは思うでしょう。
確かに現実では謎としか思えない事象ですが、謎本の「謎」として興味を引くには不十分。
そこをあえて真面目に考えて「ネタ」にするのも考えられなくはないのですが…。、

そして②の要件を満たさず自分の感覚や想像を推察ではなく根拠にしてしまっている回答。
例えば、Ⅳのラストでテラ達は主人公達にパワーを送るのに「幽体離脱の法」
を使ったのではないのか、と説明した上「さすが選ばれし者たちである」と感心。
他にもどうもこの著者は「気」など精神世界にこだわっている様子で、
青魔法が見ただけでラーニングできるのは「前世の記憶」のせいではないかとか、
HPが「気」の力でMPが「超能力」の力では、と書いています。
実はこの著者は「仮想現実空間研究家」を自称しつつも、
「気」やサイコテラピー系の著書も著しているいわゆる「と」系の人。
それだけに独自の視点から発想豊かに説明を加えているのですが…、
ゲーム中の世界でそれらの概念が確立されているか、語られる存在で無い以上、
そういう推察は説得力の無いものでしかありません。

対象はファイナルファンタジーという剣と「魔法」の世界。
元々現実とは逸脱した様々な法則、事象、力の成り立つ所であり、
それに対してどのような解釈ならあり得るか、それともあり得ないかを定義するのは
元々無理があるのかもしれません。
そういう意味では著者が悪いとは言い切れないでしょう。
地盤がはっきりしないと方向もあいまいになりがちなものです。
私も空想世界に足を突っ込んでいる身。
これを反面教師として今後の参考にすることこそすべきなのかもしれません。

追記
初の一週間連続更新。どこまで続くか…。
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by tokiwailm | 2006-01-22 22:59 | 読書録

「歯車」の感想

・芥川龍之介 著、「歯車」、1927年。

文芸ジャンキーパラダイス」の管理人カジポン様一押しの一つ、
とのことなのでインターネット図書館の物を一読しました。
短編だからと言ってさらっと流すつもり、と少々侮っていたのですが、
これは凄い、というか経験のないタイプの作品でした。

形式としては主人公(芥川龍之介本人と思われます)が見たもの、
感じた事をただ書き綴った物。
当然そこに現れる事象もありふれたものでしかありません。
登場人物がよってたかって主人公をいじめるのでも、
凶器を持った化け物が追跡してくるわけでもありません。
そもそも、性質上ストーリーなどありません。
盛り上がりも落ちもない、ただの日常が続きます。

しかし主人公はそうは感じていません。
最初は割と普通なのですが、「レインコートの男」をはじまりに、
次第に見るもの、経験した事全てに不安、不吉さを感じていきます。
主人公が「前からよく見ている」歯車の幻覚も何度か登場します。
現象自体はいずれも同じなのですが、主人公の心情の変化により、
その重みは増していく…。

描写、言葉は過激でなく、むしろ静かなくらいですが、
それがかえって心情を際立てていくと言うもの。
何気ない日常が、次第に主人公を追い込んでいく様子が
ひしひしと伝わってきます。

こうして主人公の心情を書き綴った後、最後の一文が
「誰か僕の眠つてゐるうちにそつと絞め殺してくれるものはないか?」
です。反則ですよこれは。だって疑問符ですよ。
それまでに「憂鬱だ」とはいっても「死にたい」等とは言っていない主人公。
ただ日常を暮らしているのみで読者無視に話を進めていく主人公。
ここでいきなり振り返って詰め寄って来る訳です。
「笑ウせぇるすまん」の「ドーン!」とでも言うべきか。

何が一番怖いかというと、主人公、つまり芥川龍之介はこの作品を書いた時期
実際に神経を患っており、その後服毒自殺した事。
これは紛れもなく、死ぬ前の人間の、実際の記録というわけです。
この作品を読むと知らず知らずのうちその心に触れてしまう…。
ホラーでもないのに何か背筋に寒い物が残る作品でした。

落書きです。ちなみに上の作品との共通点は歯車が出ていることだけです。
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by tokiwailm | 2005-10-22 20:31 | 読書録

「たそがれ清兵衛」感想

・「たそがれ清兵衛」藤沢周平 著。新潮社。
 
 好評を博した映画の原作作品です。
通常文学はあまり読まないのですが、藤沢周平の作品は以前読んでおり、
独特の文調が気に入っていたので手にとってみた次第です。
読む前は長編だと思っていたのですが、いざ見てみると40p程の短編で意外でした。
また戦いも手に汗握る大接戦、かと思いきや一瞬で終わるあっさりさ。
しかし背景の説明や登場人物の描写は詳しく巧みで、
堅い題材ながら続きを読ませる魅力が強い良作です。

この単行本には他にも短編「うらなり与右衛門」、「ごますり甚内」など
7編が収められていますが、話のパターンとしては似通った物です。
主人公はどれも容姿や行動に特異な点があり、普段は目立たなかったり軽んじられる武士。
それが実は優れた剣技を持ち、いざと言う時に大活躍する、という粗筋です。
しかしだからと言って飽きさせる事なく、それぞれのキャラが立っているので
独立して楽しめます。
例えば「たそがれ清兵衛」の井口清兵衛は淡々とした性格で妻を深く愛している渋い性格。
「かが泣き半平」の鏑木半平は何かと疲れた、疲れたという愚痴っぽい性格といったもの。

こういう「いざとなれば」というストーリーは何となく憧れてしまう物で、
それがこの短編集の魅力なのかもしれません。
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by tokiwailm | 2005-09-16 22:36 | 読書録

「ザ・駄菓子百科事典」

タイトル:ザ・駄菓子百科事典
著者:串間努、発刊元:扶桑社。

まず、これは事典ではないです。
事典というと五十音順に品物の説明が並んでいそうですが、
(私も手にとった時実際そういう本かと思ってました)
これは著者の駄菓子についての一家言の他は若干写真がある程度で、
大部分が駄菓子の販売元へのインタビュー文で占められています。
しかしこのインタビューが内容充実で侮れません。
登場するのは現在でも人気のある駄菓子の開発元で、
貴重な歴史や経緯などが述べられています。

例えば「都こんぶ」。
最初は捨てられるはずのコンブの切れ端を加工し、駄菓子として売り出した物。
最初はパッケージもなく紙芝居屋で配られるような物だったそうですが、
人気が出てからは切れ端が足りず、普通のコンブを使うように。
それでは値が張るわけですが、あえてここで味にこだわる道を選び、
現在では高級コンブが用いられているとか。

他にも
昔はカラーひよこも作っていたという「よっちゃん」の発売元。
ダイヤ改正があるたびにわざわざ国鉄(現JR)に確かめ新調していた「切符セット」。
実は700種類もメッセージがあるという「点取り占い」。
他にも人気商品開発までの経緯、苦労、開発者の発想の豊かさと
こだわりが詰まっています。
そこには子供向けといって簡単に片付けられない、学ぶべき物があると感じました。
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by tokiwailm | 2005-09-04 22:26 | 読書録