日記メイン。雑感や管理人tokiwailm(常盤いるむ)の落書きや【ぴく悪】など。サイコ○トラー某は関係ありません。


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「たそがれ清兵衛」感想

・「たそがれ清兵衛」藤沢周平 著。新潮社。
 
 好評を博した映画の原作作品です。
通常文学はあまり読まないのですが、藤沢周平の作品は以前読んでおり、
独特の文調が気に入っていたので手にとってみた次第です。
読む前は長編だと思っていたのですが、いざ見てみると40p程の短編で意外でした。
また戦いも手に汗握る大接戦、かと思いきや一瞬で終わるあっさりさ。
しかし背景の説明や登場人物の描写は詳しく巧みで、
堅い題材ながら続きを読ませる魅力が強い良作です。

この単行本には他にも短編「うらなり与右衛門」、「ごますり甚内」など
7編が収められていますが、話のパターンとしては似通った物です。
主人公はどれも容姿や行動に特異な点があり、普段は目立たなかったり軽んじられる武士。
それが実は優れた剣技を持ち、いざと言う時に大活躍する、という粗筋です。
しかしだからと言って飽きさせる事なく、それぞれのキャラが立っているので
独立して楽しめます。
例えば「たそがれ清兵衛」の井口清兵衛は淡々とした性格で妻を深く愛している渋い性格。
「かが泣き半平」の鏑木半平は何かと疲れた、疲れたという愚痴っぽい性格といったもの。

こういう「いざとなれば」というストーリーは何となく憧れてしまう物で、
それがこの短編集の魅力なのかもしれません。
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by tokiwailm | 2005-09-16 22:36 | 読書録